一同わらう。間。

朝起きてテレビをつけてみると、パンクロックについてのドキュメント番組がやっていた。セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュ、ザ・ダムド、パティ・スミスなんかが出てきた。僕は、パンクロックに特別な気持ちを持って触れたことがあまりなかったが、ゼッ…

チェブトイキン登場。

神楽坂の上島珈琲店に入った。話したことのない同じクラスの女の子が、友達とコーヒーを飲んでいた。前々からよく来ているのだろうか。石山修武も最近、ふとした折にやってきたそうだ。壁にかけられた、クリフォード・ブラウンのレコードのジャケットの色合…

ごあいさつ

あけましておめでとうございます。 今年もたくさんのこと全てを、かたちにできるわけではないと思いますが、少しずつでも丁寧に書くことを続けられたらと思います。 どうぞよろしく。

かあかあ。かあかあ。

翌日、自分の部屋に転がっていた『藪の中』をひっぱり出して読む。初見であったのだが、映画の印象が強いせいか、どうしても文字の上の横滑りしてしまう。初めて触れるときの純粋な感じ方を掴むことができず惜しい。 映画の原作が『藪の中』であることは分か…

かあかあ。かあかあ。

角川シネマ新宿で、黒澤明『羅生門』を初めて観た。原作は芥川龍之介『藪の中』。羅生門で始まり羅生門で終わる。 一つの死体を巡って四人が供述。しかし、一つの事実に対する四人の供述は全く異なる。それぞれの立場にはそれぞれの守るべきものがあり、各々…

わんわん。わんわん。

昼のコンビナートを電車から眺めて、思う。どうも少し見放されているように感じられるときは、細部が丁寧に描写された本に静かに向かうことが、バラバラになっていく自分をかき集める。エントロピー減少の法則、そんな法則の働きによって秩序立てられる。特…

ひでお爺さん

『新潮』を初めて手にとる。文芸誌はどんな人が買うのか。それぞれにどんなイメージがあるのか。あまり想像がつかなかったが、未発表の小林秀雄の講演が聞きたいという理由で買うことにした。 表紙には、舞城王太郎や東浩紀といった文字が踊っている。舞城の…

猫は感じやすい

僕の家の近くの猫が消えた。流れは変わる、か。

外濠

外濠を眺めることが多くなった。左に市ヶ谷、右に飯田橋。神楽坂を前に、富士見坂を背にして。 外濠の外側をなんとなく毎日歩いていたら、自然と内側に気持ちが向かっていった。日本の中心には森がある。昔、江戸城があったところ。 江戸時代ってどんなだろ…

目玉焼きって言いますものね

近頃は、高松でひっそりと暮らしていたのですが、その間に、ジョルジュ・バタイユ『眼球譚』(河出文庫)を読みました。こういった本を、20代の、とても品のよい、インテリなお姉さま方が、大真面目に読んで語り合ったりするなんて、なんてステキな世界だろう…

音楽との関わり、いろいろ

僕は、このいまの時代を生きていてよかったな、と強く感じることがある。でも、例えばビートルズがどんなに好きだからと言ってリアルタイムで彼らの作り出す音楽に次々触れながら、彼らの生きる60年代を共に生きたかったとか、そんな気持ちは案外湧かなかっ…

方舟

今、隣の国がどうなっているとか、環境問題がどうなっているのかとか、そういうことってなかなか実感がわかなかったりする。そのわりに、宇宙がどうなっているのかってこととかについては、関心を持っている人が案外多いように思える。 適切な表現とは言えな…

外套、芋粥、鼻

ゴーゴリ『外套・鼻』(岩波文庫)を読む。ヴィットリオ・デ・シーカ『自転車泥棒』においての「自転車」のように、厳しい寒さの中での一着の「外套」が、ひとの感情や当時の時代背景など全てを物語る。主人公アカーキイ・アカーキエヴィッチは、賑やかな夜…

もりのなか

死別、特殊、残虐、殉教、殲滅。『殯の森』(もがりのもり)を観た。昨年カンヌ映画祭で日本人女性監督が賞をとった作品。深い森の中をおじいさんと若い女性がさまよっていくの。「殯」という字を出したくて漢和辞典で調べてみると、音読みは「ヒン」と読む…

2001年

日頃、自分がどんなところで寝ているのかなど考えたりはしない。今晩もいつも通り普段と変わらない場所で横になったはずだが、昔よく聴いていた懐かしい音楽に身をあずけているうちに、 寝ていたところがいつの間にか全く別の様子になっていることに気付く。…

ただいま

イングマール・ベルイマンが7月30日に亡くなっていたのだそう。日本に帰って来てから知ったちょっとしたニュース。 昔、自分に強く刺激を与えてくれた人たちが毎年一人はいなくなります。『サラバンド』が最期の作品ですか。

有朋自遠方来

不亦楽乎。孔子の言葉。友人が教えてくれた言葉。遠くから友達が、自分に会いに来てくれると本当に嬉しくなるよなって。このシンプルさが響く。 今の時期にもぴったりな言葉かもしれませんね。

トンデモ内定社員

こんな言葉が雑誌の見出しで踊っていた。そこには、ゆとり教育世代が社会人に、とさらに付け加えられていた。中までは読まなかったが、小学校低学年時に、理科と社会がなくなり「せいかつか」となった点や、第2、第4の土曜日が休みになっていき、しまいに…

台湾一人旅

春休みのうちに、五日間ほど台湾に行って来た。一人旅で海外に行ったのは今回が初めて。出発当日の朝になって荷造りを始めたために、頼りにしていたYH会員証の期限が切れていたことに気付かなかった。直前になってトラブルが続出。結局初日の宿さえ決める余…

ただいま

昨日の話。日本に帰るために飛行機に乗る。飛行時間が短いためトイレに行きたくなることもないだろうと思い、受付では窓側の席をお願いした。行きと違って帰りの機内ではとくにすることもないので、小さくなっていく地上や、雲の中の様子、雲の上での昼から…

かたちまる夫くん

まる夫くんは、おいしいリンゴが大好き。おいしそうなリンゴを見つけると、ついつい心を奪われてしまう。おいしいリンゴを5つ見つければ、その5つともに手を出して、全部ぺろりと食べてしまう。だって、おいしいんだもん。でも本当は、まる夫くんのお腹は…

栃木旅行

先月初めの話。友人に誘われ、栃木県0泊1日の学生ツアーに参加する。テーマは建築。趣旨は大人数でレンタカーを借りて東京近郊にある有名な建造物を県ごとに片っ端から観に行こうというもので、僕が参加した栃木巡りは群馬、千葉に次ぐ建築見学ツアー第三…

伊東豊雄

夜、表参道を歩く。3年振りぐらいに。そしてマリメッコでしましま靴下を買う。お金が無くなってしまったのでキム・ギドクの映画を諦めることに。せっかく来たので表参道ヒルズでも見物しようと思いさらに歩くも、実際入り口の前まで来ると不思議と興味が湧…

北野武『座頭市』を観る。

題字が青色だったときはただならぬ気配を感じてとても楽しみになったが、それだけだった。観終わっても何も残らず。北野武の作品は、観終わっていつも何かしら余韻が残り、走馬灯のように色んな気持ちが一度に押し寄せてくる。このような感覚が全くなかった…

タランティーノ『パルプ・フィクション』を観る。

特有の趣味の悪さが観ていて面白かった。どこまで踏み込んでいいのか、この絶妙なバランス感覚が狙い通り。この作品はキェシロフスキの『トリコロール』をおさえてパルムドールを受賞したんですってね。驚き。

打ちっぱなし

接待ゴルフに駆り出される年頃になったゼッペキが突然ゴルフの練習をしたいと言い出したので、弟も一緒に打ちっぱなしに行くことになった。ゴルフなんて初めて。一球は15円。 うちの親父は昔から休日のほとんどを睡眠に費やしていたので気付かなかったが、…

クロと黒

火曜日の話。友人と東京地方裁判所で初めて裁判を傍聴した。裁判所内では村上世彰の裁判が行われていたり、阿曽山大噴火とエレベーター前で遭遇したりと、裁判所という普段とは少し違った場所での日常を早速垣間見ることができた。朝一番に傍聴したものは、…

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今年も東京デザイナーズウィークに足を運ぶ。今年の学生展のお題は「LOVE」。日本人には「like=好き」という感覚はあっても「love=愛している」という感覚はどうも馴染めなくて、「愛している」なんて言葉を平気で恋人に言える人は自分を騙している胡散臭…

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アルフレッド・ヒッチコック『めまい』を観る。前半が心地良い。開始数分とタイトルから『ドグラ・マグラ』のような展開を推測して僕は観ていたのだけれど、終盤全く違った展開に。自分の中では最後まで受け入れきれなかったように思える。大きな眼鏡をかけ…

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スタンリー・キューブリック『博士の異常な愛情』を観る。核戦争なんて時代遅れな気がしていた僕には実に皮肉な話だ。水爆にまたがって人が飛行機から落下していくシーンなんて笑えやしない。観終わって知ったのだが、ピーター・セラーズが一人で三役演じて…