DO•BU•O

僕の名前はドブオ。その名前を笑うやつもいれば、泣いてくれる人もいる。 僕の名前は半沢直樹。倍返しだ。10倍返しだ。 僕の名前は、僕の名前は。 何でもよくなることってある。さすがにちょっと飽きてきたや。

養老孟司

昨年の夏は、四国に行った。行く前は、大江健三郎が生まれた土地なのだから、それは森が深いのだろう、くらいに思っていた。それに、学生時代に愛媛の宿で知り合った30年後の私が、四国カルストに向かうと呟いていたから。 四国山地にひっそりとある宿の、食…

ヴィンセント、ヴィンセント

広島でゴッホ展を見る。地方都市で、ゴッホを見るというのは悪くない気がした。東京の美術館であれば、初期の作品から晩年の作品までが、もう少しは揃っていて、生涯を想像することが出来たかも知れないが。 ひねくれていて、くすぶったまま、大都会でも花開…

七つの夜、羊

ずっと遠ざかっていた読書の日々。ところが、最近になって、毎日数頁ずつでも触れるようになった。全然話に入り込めなくてもいい。ただ、一日の中で、わずかでもそばに置いておければ。 これが、思っていた以上に効果的で、体に血がめぐり出すのだ。もう今ま…

魔女の生活

思い出されるのは、幼少期を過ごした亀岡の風景。 ウシガエルが鳴いていた。何もなかった事にも気付かず、駆けずり回っていた。天候や季節、空気にもたれかかって過ごしていた。 もっともたれかかろう。目を閉じて、耳をすまそう。

喫茶オアシス

揚げ物を選ぶのをやめてみた。そしたら、口にするもののバリエーションが広がった。というか、すこし戻った。それがちょっと嬉しかった。

いっしょに遊ぼう

カーテンを閉めたり、窓を開け放したり。 外は雨が降っています。久しぶりの雨。これから何をして過ごそうかな。

小沢健次

タバコをまた吸い始めた。ぼくみたいな人は、吸っている方が人からそれっぽいと理解されやすい気がして。昔みたいにセブンスターがうまいとか、そんなことはどうでもいい。タバコなんて1mgで十分だ。煩わしいことなんかを、そんな風にして、安易に潰せさ…

発光体の見る夢

1 早朝五時半。実際のところは何時だか知らない。部屋の窓を開けて、身を乗り出し、煙草に火を点ける。夏の朝のこの時間は本当に気持ちがいい。余計なことは何もしないのがいい。そんなことを思ったのか思っていなかったのか、ただぼんやりと過ごす。 脇か…

嘔吐マチック

特に用事がないときも、コンタクトレンズを付けて街に出かけるようになった。以前は裸眼で外に出る方が、どちらかと言えばぼんやりと景色が見えているくらいの方が、街を歩いていて気分が良かった。 あったかい頃、あんなにたくさんいた猫たち、今はどこに行…

「いきましょう」

題名は、年末から今日まで暇があれば観ている宇多田ヒカル『Wild life』♯2traveling冒頭の個人的にツボなシーン。ライブDVDを観るようになったのはこれで初めてだけど、やはりお金をかけると、得られる喜びがあることを改めて実感。 今年の年末年始は、わり…

2001年クリスタル

最寄りのブックオフで105円で買った『なんとなく、クリスタル』を読了。読了後の感覚は、『2001年宇宙の旅』を初めて体験したときの感覚に似ていた。僕がこのキューブリック作品を強く意識したときは、既に2001年を迎えてしまっていたし、当時ツタヤが出版し…

もういくつ寝ると

久しぶりにMステを見た。紅白歌合戦にしても、こういった歌番組は僕はとても好きで、テレビでやっているとついつい見てしまう。年の瀬に似たような番組を何本も見ると、さすがに胸焼けしたような気持ちにはなるけれど。 番組を見て最初に気になったのがKis-M…

また、つまらぬものを

待望のジョジョリオン第一巻を買う。「社会性ゼロの人しかいない社会学部の一年生よ」という広瀬康穂の台詞が笑える。大学の中を見渡せば、社会性ゼロの人しかいないのは社会学部に限った話ではない。それは本人自身の問題よ、って真面目に思ったりして笑え…

ダンス・ダンス・ダンス

アレキサンダー・マックイーンが自宅で首を吊ったという知らせ。彼は作品のなかでいつだって死と戯れていた、というカール・ラガーフェルドの追悼のコメント。菊地成孔が記した、自殺と他殺、フォーク/文学とラテン/ダンスという言葉の羅列。それらがコレク…

森の生活

夏が過ぎた頃から、夜にグレン・グールドのゴールドベルク変奏曲を聴いています。偶然、テレビでグレン・グールドについての番組を見たのがきっかけです。俗世間から離れ、森の中で生活していた時期があったことや、夏目漱石の『草枕』なんかを好んで読んで…

夏芙蓉の香り

むせ返るほどの夏芙蓉の甘くて強い香り。そんな強い刺激を欲して、この夏は中上健次『千年の愉楽』を行き帰りの電車で手にしていました。疲れきった身体とは対照的に一日の終わりになると覚醒しだす意識を静めるために、強い刺激にはより強い刺激を、と。季…

ザ・ダイバー

先日、野田秀樹作・演出の『ザ・ダイバー』を観てきました。 友達の舞台は観に行きますが、他ともなると一度、『アルジャーノンに花束を』を観たっきりです。手に入れられるかも分からない1000円の当日券を求めて、ふらっと軽い気持ちで池袋の街に降り立ちま…

ライオンとペリカン

こんばんは。 そろそろ季節の変わり目ということでしょうか。この頃は夜になると、眉間から頭にかけて少し痛み出します。からだは知らないところで色んなことを感知してくれているのかもしれません。 夏が過ぎ去った後の、これから少しばかりのあいだの肌寒…

ココナッツの味がする

日曜日、中華街にある山東で大学の友達と食事した。就活は無事に終えたのだそう。おめでとう。 久しぶりに訪れた中華街はいつの間にかチャイハネに席巻されていて、中華街という言葉だけが一人歩きしていた。水餃子、ハチノスと野菜の炒め物、エビチリ、炒飯…

物語

最近の話ではないが少々。 日頃から家からみて北にばかり向かうせいか、気持ちは南に強く留まる。横須賀線、鎌倉、逗子のことを自然と思い浮かぶようになった。逗子の砂浜は白い。中上健次『枯木灘』、川端康成『千羽鶴』を読んでからか。紀伊半島と九州の形…

ごきげんよう

ジョージ・オーウェル『1984年』、サマセット・モーム『月と六ペンス』、夏目漱石『坑夫』、フランツ・カフカ『カフカ短篇集』、東海林さだお『ブタの丸かじり』。これらは最近読んだ本ではなく今読みかけの本たち。 土曜日の朝に、村上春樹『1Q84』のニュー…

こんな夜に

忌野清志郎が死ぬ。またほんの少しだけ、何がなんだかわからないことになった気がした。 清志郎なんて全然好きになれなかったけれど、死んだことに何とも感じないこれからの人たちのなかで、また自分は身を潜めるのか。 テレビとかの人が死ぬってそういうこ…

鼠の国

中上健次『紀州 木の国・根の国物語』を読む。紀国は木の国であり、木はまた根の国をもつ。根の国は死者が戯れる地下の世界、あるいは鼠の国か。紀伊半島の海岸線に沿って僕の首もくるくると回る。本著は著者の生まれ故郷でもある紀州での旅を記録したもの。…

ポンチキ、ポンチキ

今イメージフォーラムでは『ドグラ・マグラ』が上映されている。昨年ビデオで観たばかりだがビラが欲しくなったので寄ることに。原作、映画ともに果たしてこんなであったろうか。疑ってしまうようなビラの出来に大笑。映画については、あまりのことに大声で…

ギムレットには早すぎる

アルベール・カミュは憎たらしいくらい立派な鼻をお持ちのようだ。そして、脳髄には死体が埋まっていたのだった。そんな風な高校時代の記憶が、ふと甦った。昔、友人が、夏休みの読書感想文で『異邦人』を題材にし、カミュへのオマージュとして不条理をテー…

アンドレイはいない。こっそり退場。

先週水道橋のヴィレッジヴァンガードに立ち寄った。文学と呼べそうな本はどこにも積まれていなかった。読書リストのようなものはやたら本屋で見かけるものの、実際のところ何を読んだらいいのかなんてわからない。有名な人の書いた本さえ今では本屋で手に入…

両脇をかかえられて連れ戻される。

11月末のこと。朝10時に新宿サザンテラスのスターバックスで友人と待ち合せた。久しぶりの再会にも関わらず、友人は春になったらアウシュヴィッツに行く、といった話を早々に始めた。その前の晩も、現地唯一の日本人ガイドが書いた本を読んでいるうちに、気…

片手を振って、行こうとする。

僕が友人とニューヨークに行ったのは9月だった。10日の夜は予約したはずの宿に宿泊を断られた。その後、必死になって見つけた別の宿でもトイレの水が溢れ出し、止まらず、バスルーム中が大洪水になった。翌日は昼ごろになってからWTCの跡地に向かった。アメ…

アンドレイ登場。

数年前、ゼッペキが大学生だった頃、友人らが集まり中上健次の墓を見に熊野に行くことになった。ゼッペキと別の友人の勉三は、行っても何もないことを知っていたから行かなかった。