台湾一人旅

春休みのうちに、五日間ほど台湾に行って来た。一人旅で海外に行ったのは今回が初めて。出発当日の朝になって荷造りを始めたために、頼りにしていたYH会員証の期限が切れていたことに気付かなかった。直前になってトラブルが続出。結局初日の宿さえ決める余裕も無く旅立つことに。
まぁ、こんなことは毎度のこと。むこうに着いても泊まる宿が決まっていないというのは不安であるが、僕はそれよりも、安心感を抱え込んだまま旅に出る方が苦手だったりする。始めに少し多めに緊張感があるくらいの方が後々になって身の安全も守りやすい。あらかじめどの程度リスクを潰して旅に出るかは状況によって違うだろうが、今回の旅の目的地は台湾なわけで。これが行く前の僕の判断。
海外で見かける日本人旅行者の行動は、そこがどこの国であろうとそんなに変わらないような気がする。きっと大勢の人が、日本にいるときと同じような服装でそこらを歩き、物を買うときにはお金をちゃんと払うのだと思う。けれど、そんな日本人に対するリアクションは土地によってまちまちなのではないか。
日本人が言われた通りの分だけお金を払うことを知っていれば、あらかじめ多めに額を設定しておいてぼったくろうと考える人間が出てくるのは当然だろう。また、日本人が示された分だけのお金をちゃんと払うことを知っているので、そんな日本人観光客に気を取られて、捕まえるべき悪い奴を逃してしまわないようにと、警備上全く相手にしなかったりすることもある。「安心なやつが来たから騙そう」、もしくは、「安心なやつが来たから警備上無視しよう」というのが先にあげた例に当たるものだが、この他にも、「安心なやつが来たから親切にしよう」というものもあったりする。これが僕の感じてきた台湾の印象である。
僕は歩いているだけでも風貌や雰囲気からどうしても日本人であることがすぐにバレてしまうのだが、何をするにもむこうの人はとても親切にしてくれた。そんな人たちに僕も、日頃学食のおばちゃんにするように、愛嬌を振りまく。言葉は通じなくてもこういった部分はちゃんと通じるものなので、人とコミュニケーションをとる上では本当に大事なことがよくわかる。とりあえず僕は台湾にいる間は、日本語と片言の英語と笑顔だけで問題は無かった。