わんわん。わんわん。

昼のコンビナートを電車から眺めて、思う。どうも少し見放されているように感じられるときは、細部が丁寧に描写された本に静かに向かうことが、バラバラになっていく自分をかき集める。エントロピー減少の法則、そんな法則の働きによって秩序立てられる。特別なことは何もないかのように。
一つ一つが丁寧に描かれるのは誰の作品か。自分は村上春樹を挙げてみた。電車を下りて『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を買うことにした。