2009-01-01から1年間の記事一覧

森の生活

夏が過ぎた頃から、夜にグレン・グールドのゴールドベルク変奏曲を聴いています。偶然、テレビでグレン・グールドについての番組を見たのがきっかけです。俗世間から離れ、森の中で生活していた時期があったことや、夏目漱石の『草枕』なんかを好んで読んで…

夏芙蓉の香り

むせ返るほどの夏芙蓉の甘くて強い香り。そんな強い刺激を欲して、この夏は中上健次『千年の愉楽』を行き帰りの電車で手にしていました。疲れきった身体とは対照的に一日の終わりになると覚醒しだす意識を静めるために、強い刺激にはより強い刺激を、と。季…

ザ・ダイバー

先日、野田秀樹作・演出の『ザ・ダイバー』を観てきました。 友達の舞台は観に行きますが、他ともなると一度、『アルジャーノンに花束を』を観たっきりです。手に入れられるかも分からない1000円の当日券を求めて、ふらっと軽い気持ちで池袋の街に降り立ちま…

ライオンとペリカン

こんばんは。 そろそろ季節の変わり目ということでしょうか。この頃は夜になると、眉間から頭にかけて少し痛み出します。からだは知らないところで色んなことを感知してくれているのかもしれません。 夏が過ぎ去った後の、これから少しばかりのあいだの肌寒…

ココナッツの味がする

日曜日、中華街にある山東で大学の友達と食事した。就活は無事に終えたのだそう。おめでとう。 久しぶりに訪れた中華街はいつの間にかチャイハネに席巻されていて、中華街という言葉だけが一人歩きしていた。水餃子、ハチノスと野菜の炒め物、エビチリ、炒飯…

物語

最近の話ではないが少々。 日頃から家からみて北にばかり向かうせいか、気持ちは南に強く留まる。横須賀線、鎌倉、逗子のことを自然と思い浮かぶようになった。逗子の砂浜は白い。中上健次『枯木灘』、川端康成『千羽鶴』を読んでからか。紀伊半島と九州の形…

ごきげんよう

ジョージ・オーウェル『1984年』、サマセット・モーム『月と六ペンス』、夏目漱石『坑夫』、フランツ・カフカ『カフカ短篇集』、東海林さだお『ブタの丸かじり』。これらは最近読んだ本ではなく今読みかけの本たち。 土曜日の朝に、村上春樹『1Q84』のニュー…

こんな夜に

忌野清志郎が死ぬ。またほんの少しだけ、何がなんだかわからないことになった気がした。 清志郎なんて全然好きになれなかったけれど、死んだことに何とも感じないこれからの人たちのなかで、また自分は身を潜めるのか。 テレビとかの人が死ぬってそういうこ…

鼠の国

中上健次『紀州 木の国・根の国物語』を読む。紀国は木の国であり、木はまた根の国をもつ。根の国は死者が戯れる地下の世界、あるいは鼠の国か。紀伊半島の海岸線に沿って僕の首もくるくると回る。本著は著者の生まれ故郷でもある紀州での旅を記録したもの。…

ポンチキ、ポンチキ

今イメージフォーラムでは『ドグラ・マグラ』が上映されている。昨年ビデオで観たばかりだがビラが欲しくなったので寄ることに。原作、映画ともに果たしてこんなであったろうか。疑ってしまうようなビラの出来に大笑。映画については、あまりのことに大声で…

ギムレットには早すぎる

アルベール・カミュは憎たらしいくらい立派な鼻をお持ちのようだ。そして、脳髄には死体が埋まっていたのだった。そんな風な高校時代の記憶が、ふと甦った。昔、友人が、夏休みの読書感想文で『異邦人』を題材にし、カミュへのオマージュとして不条理をテー…

アンドレイはいない。こっそり退場。

先週水道橋のヴィレッジヴァンガードに立ち寄った。文学と呼べそうな本はどこにも積まれていなかった。読書リストのようなものはやたら本屋で見かけるものの、実際のところ何を読んだらいいのかなんてわからない。有名な人の書いた本さえ今では本屋で手に入…

両脇をかかえられて連れ戻される。

11月末のこと。朝10時に新宿サザンテラスのスターバックスで友人と待ち合せた。久しぶりの再会にも関わらず、友人は春になったらアウシュヴィッツに行く、といった話を早々に始めた。その前の晩も、現地唯一の日本人ガイドが書いた本を読んでいるうちに、気…

片手を振って、行こうとする。

僕が友人とニューヨークに行ったのは9月だった。10日の夜は予約したはずの宿に宿泊を断られた。その後、必死になって見つけた別の宿でもトイレの水が溢れ出し、止まらず、バスルーム中が大洪水になった。翌日は昼ごろになってからWTCの跡地に向かった。アメ…

アンドレイ登場。

数年前、ゼッペキが大学生だった頃、友人らが集まり中上健次の墓を見に熊野に行くことになった。ゼッペキと別の友人の勉三は、行っても何もないことを知っていたから行かなかった。

一同わらう。間。

朝起きてテレビをつけてみると、パンクロックについてのドキュメント番組がやっていた。セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュ、ザ・ダムド、パティ・スミスなんかが出てきた。僕は、パンクロックに特別な気持ちを持って触れたことがあまりなかったが、ゼッ…

チェブトイキン登場。

神楽坂の上島珈琲店に入った。話したことのない同じクラスの女の子が、友達とコーヒーを飲んでいた。前々からよく来ているのだろうか。石山修武も最近、ふとした折にやってきたそうだ。壁にかけられた、クリフォード・ブラウンのレコードのジャケットの色合…

ごあいさつ

あけましておめでとうございます。 今年もたくさんのこと全てを、かたちにできるわけではないと思いますが、少しずつでも丁寧に書くことを続けられたらと思います。 どうぞよろしく。