森の生活

夏が過ぎた頃から、夜にグレン・グールドゴールドベルク変奏曲を聴いています。

偶然、テレビでグレン・グールドについての番組を見たのがきっかけです。俗世間から離れ、森の中で生活していた時期があったことや、夏目漱石の『草枕』なんかを好んで読んでいたことをそこで初めて知りました。色々な映像のなかでも、ピアノの前で身体を小さく丸めて弾いている姿はとくに印象的で、CDのジャケットから想像していたものとは随分異なりましたが、強く惹かれるものがありました。


前々からゴールドベルク変奏曲はずっと手元に持っていて、それまでも何度も通して聴いたことはあったのですが、30分ほどの映像によってこんなにも曲の印象が強くなったり、新たに加わったりするなんて、少し不思議な気持ちがします。


しばらく耳をすませて聴いているうちに、自分もピアノで弾けるような気がしてきて、実際に弾いて一つ一つ音を確かめてみたら楽しいだろうなと空想したりします。ピアノの音だけでなく、グールドが演奏中に洩らす声もいいですね。




バッハ:ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル盤)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル盤)


バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)