物語
最近の話ではないが少々。
日頃から家からみて北にばかり向かうせいか、気持ちは南に強く留まる。横須賀線、鎌倉、逗子のことを自然と思い浮かぶようになった。逗子の砂浜は白い。中上健次『枯木灘』、川端康成『千羽鶴』を読んでからか。紀伊半島と九州の形が気になる。
冗談まじりで家系図なんかを思い浮かべてみる。二重、三重、四重と真ん中の自分に重ねられる。血の通ったものによって。土地によって。物語によって。ここのことが一番よくわかる。
昨年の秋にも川端の作品を読んだ。『山の音』。当時は何のことだかわからなかったが、何が書かれているかはもう問題ではない。『波千鳥』は読んだが、『地の果て 至上の時』はもういい。結ばれたものをたどりみえてくるものは源氏物語か。柏木。谷崎訳で第四巻。
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