キム・ギドクの『うつせみ』を恵比寿で観る。のっけから韓国映画の予告編に出てきたヒロインの童顔具合に滅入る。韓国映画を観たと言うと、韓国の映画を観たの?と人から言われることが多いが、僕の中でキム・ギドクの作品はそういう類ではないと思っているのでなんとなく期待していた。おかげで痛い目をみることに。
主人公とヒロインはほとんど口を開くことがない。女は黙って男についていき、共に生活をすることで癒されていく。上映中の最中に僕はすでに滅入ってしまった。監督自身がクリスチャンであるというのが今回も見逃せないポイントなんだろうけど、そんなことも実際どうでもよくなっていた。帰り道、友達を誘わずに一人で観た、という点に唯一の救いを見出そうとし、それをひたすら求めた。