志賀高原に行ってきた。スノボではなく今回はスキー。最近の僕はスキーをする人の話を聞くことが多いので、ここで機会に恵まれたのは嬉しい。三日間部屋の中で目にしたのは、僕を除いた、タイツ姿の男三人。一人は鏡の前でタイツと浴衣の帯との新たな可能性を模索していた。僕が見るにやっぱり帯の長さは足りてなかったと思う。
二日目に友達が一人、帰りのリフトに乗り遅れる。上で待つ僕らは祈りを込め、オブジェ(雪を100個丸めて正方形に並べたもの)を作った。しかし僕らの願いをよそに無情にもリフトは止まった。あの瞬間、僕の中では雪上に激しく打ち拉がれた気持ちでいたつもりだったが、翌朝話を聞いてみると一番笑っていたのは僕だったらしい。言われてみれば自分はそういうタイプな気がした。たとえそれが笑うしかなかった状況であったにしても。作品を最後まで作り上げホテルの前まで戻ると、ちょうど友達が車で送られてくるところだった。再会。そして抱擁。そして涙。いやいや。オブジェは翌日の朝、壊れていた。


今日の一曲 Eleanor Rigby(インスト) / THE BEATLES