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旅の最後に京都にある亀岡という田舎町に足を運ぶ。ここは僕が15年前に住んでいたところで、自分の記憶を遡っていく中で辿り着く、様々なことを鮮明に思い出せる始めの場所。一人旅にふさわしい最終地点。そんな亀岡は昔の印象と何も変わることなく、今も素敵なところでした。
僕が昔住んでいた家はもう無くなっていて、田舎には場違いな高層マンションになっていたりしたけれど、町全体は基本的に自分の記憶そのままに今も存在していた。運動会のとき遊んだ小学校の校庭の遊具、家の裏にあった高校のテニスコートの網、ラジオ体操の後にだるまさんが転んだをした友達の家の壁、雨の日に保育園へ向かう途中に落ちたドブ川、ウシガエルが鳴いていた池・・・自分でも忘れていたものが次々と目に飛び込んでくる。鳥肌が止まらず、体中の細胞が震え上がった。そして町にあるもの全てが、また町そのものが僕の記憶のものより小さいことにも気付く。当時の僕はまだ小さかったためか全てが大きく見えていたらしい。何だかおかしくなった。