最新号がすでに発売されてはいるが、一つ前の Newton7月号を最近、行き帰りの電車の中で読んだ。この号では 創刊300号記念として量子論が特集されている。細胞なんか比べ物にならないほど小さな世界になって初めて現れる効果についての話。この特集はとてもイメージがつかみやすい。そのために量子力学がとても美味しそうな分野であることに気付けた。
量子論については 授業でもかじった。初めて講義を聞いたときの印象は文字通りさっぱりだったが、これを読んで話のぶっ飛び具合を理解した。どうやら ニュートン力学も通じないようなミクロな世界では僕らの身の周りの常識が全く通じないらしい。例えば、一つの物体が同じ時刻に複数の場所に存在できたりする性質があるのだとか。この全く想像もつかないようなぶっちぎり具合を自分の中でどう納得させたら良いものか。
僕の身の回りの世界はあらゆる物質で取り囲まれている。そんな物質を一つ一つ取り上げてみると最小単位すら想像がつかないような小さな世界から成り立っている。 常識では全く理解できないものの上に 常識が成り立っていることになる。だいたい、僕らは自分の脳味噌も見たことないのに、脳味噌の話をしたりする。人間が一人も存在しなかった頃の話を人間が語ったりする。久しぶりに現実というものの側面を感じた。
理系の人間として新しく出会ったものを当たり前のものとして扱おうと、今、自分の中に取り込もうとしている。この感じがとても不思議に思える。今日、物理の話がどのくらいまで進んでいるのかはわからないが、当時の人がきっと感じたようにミクロな世界に僕も衝撃を受けた。


Newton (ニュートン) 2006年 07月号 [雑誌]

Newton (ニュートン) 2006年 07月号 [雑誌]