川本喜八郎の作品を二本見る。高いDVDも出てはいるがずっと買うことが出来ずにいたので前々から楽しみにしていた。まず岩波ホールで『死者の書』を見る。原作は折口信夫。上映まで時間があったので神保町を散策。この街は歩いても歩いても本屋が出てくる。魅力的。ここまでは順調だったものの、映画上映中に寝てしまう。おそらく一番重要なシーンで。話がつまらなかったわけではない。間違いなくおもしろかった。ただ、昨夜はほとんど眠れなかったために耐え切れなかった。コンディションを合わせられない自分を呪う。
上映終了後、家に帰ろうか迷ったが、もう一本の方が最終日だったので観に行くことにした。今年になって移転したユーロスペースで『蓮如とその母』を見る。移転してから来るのは初めてだったが、前の場所の方が正直しっくりくるな。
開演15分前に映画館に着いたが人だかりがすごかった。チケットを買った際の整理番号は105番。川本喜八郎は評価が高いとは言え、日本でここまで人気があるとは知らず驚いた。レイトショーにもかかわらず席は満席。しばらくすると、マイクを持った司会が現れ、ついには川本喜八郎本人までが登場。あっちょんぶりけ。本人が来ることを知らなかったのは会場内で僕一人だったのかもしれない。ユーリ・ノルシュテインの特集をテレビやっていたときに見たことはあったが、間近で拝めるとは思ってもみなかった。
それでも上映し始めると、睡魔に耐え切れずに寝てしまう。映画が終了し、大きな拍手の中を川本喜八郎が退席して行く。周りにつられて一応拍手をする自分。しまいには、いびきをかいていなかったかどうかが気になりだす。呆れた。