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岡山県からフェリーで瀬戸内海に浮かぶ島、直島に上陸する。お目当ては安藤忠雄が設計した地中美術館。昔読んでいた雑誌の中でトム・フォードが絶賛していたのが頭の片隅に残っていたので。
僕には今でも図書館や美術館に住んでみたいという願望がある。だから『海辺のカフカ』を読んでいたときなんかカフカ君に嫉妬してしまったり。地中美術館は一層住みたくなってしまうような居心地が良い美術館でした。居心地がいい場所、僕の中でそれはその空間の中で時間の流れとともに変化していくものを感じ取りながらずっとその場に居たくなるところ。僕が美術館を回った時間は晴れた日の昼でしたが、夕方、または雨の日なんかでは全く違う部屋の雰囲気に変化するんだろうってことが容易に想像されました。もう少し立ったり、座ったり、歩いたり、寝転んだりしていたかったです。
美術館の入口と出口は同じ場所。地上から地中へ、地中から地上へ。千と千尋の神隠しに出てくるトンネルみたいに。そういうのって僕は好きです。入る人と出てくる人が重なってしまうとワクワク感は半減してしまうんだろうけど。